第2回糟谷の歯科講座
(平成19年4月15日)

皆さんこんにちは。

ちなみに私は、学生時代フェンシングをやっていました。

本気でオリンピックを目指していた時期もありましたので、

己の大学の放課後の練習だけでは飽き足らず、

当時門戸を開放して下さっていた学習院大学や法政大学(当時日本一)

の練習に参加させていただき、研鑽を積んできました。

武道に限らず、スポーツをやった事がある方はお分かりかと

思いますが、本気であれば、あるほど、試合に負けた時は悔しい。

悔しいからさらに練習をする=>上には上がいる=>負ける=>悔しい。

=>練習する=>上達する。と、好循環になればなったで楽しいし、

そのやっていたスポーツを通じて、仲間との友情や、思いやりの感情が

生まれたり、非常に充実した生活の一翼を担うのがスポーツの良さ

でもあります。

そして、スポーツだけでなく、音楽、営業、計算、建築、家族、教育、政治、恋人等

いろいろな分野で、皆さん自身の中で、大きなウエイトを占めているものが、

皆さんそれぞれの中に、必ずある事と思います。

(私がいうのも生意気ですが、そのなくてはならないものを大切にして下さい。)

さて、フェンシング①と歯科の修行②を通じて心に残っている事があります。

①某大学のフェンシング部の先輩で、比較的上手とされるAさんと

練習試合をした時です。

私は本気で対戦をしましたが、そのAさんは、

「あー参った。参った。」

と、両手を挙げて、明らかに手を抜いて試合をするのです。

試合には勝ちましたが、内心、忸怩たるものがありました。

Aさんは私だけでなく、Aさんの後輩と練習試合をする時も、

手を抜く時が度々ありました。

(何のためなのだろう?)

今でもAさんの真意は分かりません。

②E先生は、東京大学の近くで歯科クリニックを開業されている方です。

(*余談です。今でもすぐ、

顔が浮かぶ患者さんがいます。

裁判所にお勤めの方でした。

サッカーの話題で盛り上がった時、

私が、もともとサッカーはサッカーとは、

言わなかったみたいですね。と言った後、

Ⅹさんはいいました。そうですね。

ラテン語で、フットボールの語源は、フースバルと

いいますから。サッカーの語源はラテン語には

ありません。(うーすげー)

と、思ったものです。余談でした。)

修行中、銀の詰め物を、患者さんにセットし終わった後、

E先生に報告すると、

「おまえ、ちゃんと見たのか?」

と、いきなり胸倉を掴まれました。側から見れば

バイオレンス?もしくは、厳しい指導?と、受け取り方次第ですが、

私は厳しい指導と受け取り、耐えました。

「虫眼鏡でちゃんと診ろ!」

当時、虫眼鏡を使用している歯科医師を、私は、E先生以外

知りませんでした。(大学病院にもいませんでした。)

「俺のところは、他のいい加減な歯医者とは違う。

体より頭が疲れるからそう思え!」

E先生語録が、バシバシ飛んできました。

E先生のおっしゃられた言葉の中で今でも一貫して

心に沁みている事をご紹介いたします。

『糟谷君、俺に説明しなくていいから、

「何で、虫歯になるのか?」

「何で、歯周病になるのか?」

を、出来るだけわかり易く、

短めにまとめておいて。』

『意表を突かれただろ。試験にもでなかったろ。

こういう基本が、又、大切なんだな。

ちなみに、真面目な話だけど、他の歯科医院に

行って、そこの院長に聞いてみな。

わかり易く、さっと答えられる歯科医が何人いるか?』

と。

確かに

「何で虫歯になるのか?」ア

「何で歯周病になるのか?」イ

という試験問題は出ませんでした。

私は、まとめるために

いろいろな文献を、改めて読みました。

今でも患者さんにご説明させていただく内容が、以下です。

ア、「何で虫歯になるのか?」

「歯の表面は水晶とだいたい同じ硬さです。

そのぐらい硬い歯が溶けていくのが、

いわゆる虫歯です。

ストレプトコッカス・ミュータンスという菌が

糖分を食べると、ねばねばした物質と酸を産生します。

ねばねばした物質は菌を歯に、こびり付かせる役目も

果たすため、それが除去されないと、

酸によって、歯の表面が溶けていきます。」

なので、歯ブラシが大切なんですね。

歯ブラシで、そのバイキンの塊がとれていれば、

虫歯にはならない。という事です。

イ、「何で歯周病になるのか?」

「歯槽膿漏とは文字通り、歯槽(骨)が溶けて、膿(うみ)が

漏れ出てくる事をいいます。

健康な状態でも歯と歯ぐきの間には溝があります。

その溝に、バイキンが入り込み、取り除かれないでいると、

体の中の、好中球やマクロファージという物質が、

バイキンを食べてくれます。

しかし、バイキンを食べてくれるだけならよかったのですが、

それらは、ライソゾーム酵素という酵素を出します。

その酵素が溝を溶かしていき、だんだんと深くなり、

やがて、骨をも溶かしていきます。

バイキンの死骸が膿でもあるので、その時

膿も出てきます。

だから、歯ブラシは大切なんですね。

私は大切にしているものの一つに、

バランス感覚があります。

中庸という事でしょうか。未熟者なので、

まだまだ修行が足りませんが・・・・

フェンシングの試合中、

手を抜いた事はありませんし、(へばった事はあります。)

スタッフの指導に手をあげた事もありません。

(E先生仕込みなので厳しい面もありますが)

事の良し悪しではなく、皆さんに本気でいろいろ(損得抜きで)

言ってくれる方(程度や限度があるかと思いますが)を

大切にして下さい。私が思うに年を取る程、

少なくなっていくような気がします。

又、本気で言える方を大切にして下さい。

(あ、本当に皆さんの行き着けの歯科医師に

何で虫歯になるのか?とためしに聞いたり

するのは止してくださいね。?)

追記です。

フェンシングに興味のある方は

鎌倉の体育館にて、日曜日(開始日時は変わる事あり)

に学べます。

元オリンピック選手がコーチです。(すごい方です。)

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